此処はツバサの双児吸血鬼を愛する管理人の、妄想の捌け口となっております。
9割方女性向け表現を含みますので、苦手な方は今すぐブラウザバックを。
双児への愛と欲望に満ちた同志の方は、どうかABoUT&伽の案内処へ。
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では、とびっきりの悪戯をどうぞご覧下さい。。>>>Since.2007/10/31(Wed)
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執着するのは片割れにだけ、それ以外はせいぜい使い捨ての駒か道端の石ころ以下の認識。
当然の如く捏造過多です。(本能と執着=愛、これ基本)
上に来るほど新しい物です。
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【短編】
・君の其の感情さえ(双児処女作~BLACK.ver)
⇒一つの話からWHITEとBLACKに分化。WHITE.verは昼の伽部屋の「二人の距離」です。
君の僕に向ける、不自由なまでの執着心が心地良いのだと知ったら
君は僕を軽蔑するだろうか……
【君の其の感情さえ】
サクラが対価を取って戻った頃、二人は騒がしくなった外を、神威に宛がわれている部屋で鋭敏な聴覚によって伺っていた。
「あの女の子、何とか帰って来たみたいだね」
「よく生きて帰って来れたな」
夜の東京は突然変異の怪物たちの巣窟だ。彼等はサクラを一目見て、戦闘も何も経験した事の無い人間の少女だと分かっていた。
だからこそ、サクラが傷はどうであれ生きて帰って来れた事に意外さを隠せなかった。
「よほど運が良かったんだろうね」
「だが、五体満足とは限らない」
人の領域から外れた感覚が、大勢の話し声と忙しない空気を読み取る。この世界では満足な治療は出来ないだろうが、それでも軽くない傷を負ったのだろう、救護班を呼ぶ声が聞こえてきた。
昴流は少し気懸かりそうに部屋の扉に視線を向ける。
「あの子、大丈夫かな・・・?」
「さぁな」
「もう、本当に他人に興味がないんだから…」
「人間なんかどうでも良い」
神威の鋭い言葉に、昴流がそれ以上神威に何か言う事はなかった。彼が他者に興味を持たないのはいつもの事であるし、いくら彼女の事を気にかけたところで、自分達に出来る事はないと思ったのかもしれない。
だが、一番の理由は神威の機嫌のせいだろう。先ほどの神威の言葉は、室内に冷気が漂う錯覚まで運んで来た。冷気と言うより、それは殺気に近かったかも知れない。
しかし、そんな事は神威にとってはどうでも良かった。神威にとって大事なのは……昴流が起きてからずっと、自分の方をまともに見ていないという事実だけ。
そしてそれは、あの姫達に関わっていたせいだ。
----なのに、なんで俺があんな脆弱な人間の心配をする必要があるんだ
そう考えるほど比例するように、激しく感情が心の底から湧き上がって来る。
どんどん自分の思考にはまっていく神威を引き戻したのは、くすりと言う吐息が零れる音だった。
「…何だ昴流、急に笑ったりして」
視線を移すと、相手の口元には薄い笑みが浮かんでいた。
「ふふ、何でもないよ」
「お前は何でもないのに笑うのか」
「さぁ…どうだろうね?」
ずっと自分をほったらかしにしていたと思ったら次は勝手に笑っている。一体何がしたいんだと呆れるが、この片割れが自己完結するのも、そのせいで不思議な行動をするのにも慣れている。
だからとりあえず詮索はしない……今は昴流がこちらを見たから。
‡ ‡ ‡
きっと彼自身は気付いていない。
昴流が人間の安否を気にかけてから、神威はずっと眉間に深い皺を寄せていた事。
そして自分が彼自身を見てから、その眉間の皺が綺麗に消えた事、なんて。
----絶対無意識だよね
三年もの間独りにされたというのに、昴流は目覚めてからずっと神威の言葉を無視し続け自分の要望を押し通した。彼が心底心配してくれているのは知っていたが、それでも自分達のせいで都庁の人間に迷惑をかけたままなのは後味が悪かった。
だが昴流は水を返し終わってからも、自分の心情ばかりを優先していた。
しかも優先したのがあの姫達への心配だったので、片割れの機嫌は無表情の裏で急下降していた。それはまるで、自分の玩具を盗られて拗ねる子供のようだ。
いや…拗ねると言うよりそれは、嫉妬だ。
----君のそんな可愛い反応が見たくてわざと無視してた、なんて言ったら怒るだろうね。
本当は、人間達がどうなろうとあまり興味は無かった。
確かに、案じる気持ちはあるし本心でもある。だがそれは全て自分の責任の範囲内での事。地下に水を返したのも、自分達の責任を果たしただけ。
返すべき水を返してしまえば、旅の一行の安否は正直どうでも良かった。彼らの仲間が死のうと生きようと、どちらにせよ自分達とは生きる時間が違う、通り過ぎる命でしかない。
だから、水を返した後も彼等をあからさまに案じていたのは、片割れの独占欲を引き出すためだ。
自分は本来どこまでも利己的な生き物だと、昴流は自覚していた。
自らを基準に物事を操り、自分の利益となるものは如何なる方向性であろうと利用する。…彼等への心配もその一つでしかなかった。
でもきっと、神威は自分が本気で彼らを心配していると思っているだろう。
彼は、穏やかさという仮面の裏で人を切り捨てられる自分などより、余程情に深い部分がある。
もちろんそれは、常に表されるものではないけれど。
----僕はそんなにお人好しじゃないんだよ。君と違って、ね。
だから昴流は哂う。
半身から向けられる自分への感情に酔いしれながら…。
でもそんな事は、神威には髪の毛一筋たりとも悟らせるつもりはない。
未だに自分は、神威にこの酷薄な本性を晒した事はないのだ。
だから、呆れた表情を浮かべる彼には少し違う言葉を向けた。言外に違う言葉を含ませて…。
「ごめんね?」(寂しい思いをさせて)
ここでストレートに「寂しかった?」なんて訊いたら、しばらくは口を利いてもらえなくなる。
だが、きっと彼は裏に隠されているその意味にも気付いたはずだ。
「…何が」(それは何に対してだ)
「ずっと独りにしてしまって」(分かってるくせに)
「………」(…なら無視するな)
沈黙が続く。その中で神威の頬にそっと手を寄せるが、抵抗は無かった。
だから、遠慮なく身体ごと強く--それでいて優しく--抱き締める。
すると相手からも強い抱擁が返り、それと一緒に言葉も返って来た。
「ばか昴流………」(寂しかったに決まってるだろう…)
「ごめん」(僕も寂しかったよ)
「三年も暢気に寝るな、ばか」(独りになんかしやがって)
あまりにも彼らしい憎まれ口に苦笑が浮かび、更に抱き返される力が強まった。
肩に顔を埋められ、久しぶりに温かさと柔らかな髪のくすぐったさを感じたが、同時に感じる心地良さに昴流は目を細めた。
「ばかなんて酷いんじゃない?」(あれは不可抗力だよ?)
「それ以外に言い様が無い」(…これが逆だったら、許さないくせに)
素っ気無い言葉達。でもその裏に隠されているのは、含まれた問いへの答えだ。素直には心情を吐露出来ない彼の、精一杯の本音の欠片が覗く。
だからこんな憎まれ口さえ、愛しくて堪らない。
…まぁそれ以前に、どんな捻くれた言葉を吐いたところで、こんなキツいほどの抱擁じゃ誤魔化しようがないのだが。
でも、それを口に出す事は無い。これが今の彼との丁度良い距離の在り方だから。
----でもね、僕の望む距離にはこれでも足りないよ?
クッと、口角が笑みの形へと吊り上る。きっと今浮かんでいるのは自分への嘲笑に似たものか、他者への優越感に満ちたものだろう。
彼が求めるよりも暗く醜い執着を隠す気もない醜悪な自分の愚かさに、他者を近づけない彼に唯一強い執着を抱かせられる自分の絶対的な立場に、笑みが零れるのを止められない。
昴流の世界は常に完結していた。
使える駒は最大限に利用し、使えなければ切り捨てる。
意見を違え、飼い主の手を噛むような出来損ないは残らず廃棄する。
そうやって全てを選別し、都合の良い世界を作り上げて生きてきた。
だがそんな自分でも、この片割れだけはどんな時でも切り捨てる事が出来なかった。 例え自分の足を引っ張ろうとも、どれだけ意見を違えようとも。
当初はそんな自分にずいぶんと戸惑ったものだ。
だが、やがて気付いた。
神威だけが、自分の凍りついている感情を動かすことが出来るのだと。
神威を手離すのは、自分の心を切り離すのと同意義だという事に。
だから、自分の本性によって片割れが離れてしまうのが恐ろしくて、理性という枷で抑え付け、絶えず仮面を被っていた。
今までは。
だが一時でも強制的な別離に晒された心は、激しい慟哭を上げている。
神威の全てを絡めとり縛り付けたいと叫んでいる。
もう、兄弟に向けるような綺麗な愛情だけを与える事が出来ない。
どんなに神威が以前の関係に戻りたいと願っても、もはや戻る事は出来ないし、抑えるつもりもない。
この先何があろうと神威を束縛し続けると、昴流は既に心を定めた。
----ただいま、神威。もう離さないよ………
さぁ、全てを壊してしまおうか。
‡ ‡ ‡
昴流の肩に顔を埋めていた神威は、半身が暗く哂っているのに気付いていた。意外に独占欲が強いから、こんな幼稚な抱擁では物足りないのだろう。
----嗚呼、お前は餓えてるんだな…
しかし、それが嫌だとは微塵にも思わない。むしろ心地よくて仕方ない。
自分とて、この片割れに執着する狩人が居るだけで、全てを壊したくなるほどの衝動を秘めているのだ。
敏いはずの彼は未だ自分に手を伸ばすのを躊躇っていたけど、互いに今回の事で限界が来たのを神威は肌で感じていた。
昴流の中に、自分に見せられる事のない凍えた世界がある事は気付いていた
たまに片鱗を覗かせるそれは、自分と居る時だけは和らいでいて滅多に目にする事はなかった。
それでも、確かに存在するその世界は、間違いなく昴流自身なのだと神威には分かっていた。
そして今、昴流の中から凍えるような感情が溢れている。
だが、心に湧き上がるのは、嫌悪ではない。
ようやく昴流の全てを晒してもらえるという--歓喜。
----俺がお前を拒絶した事なんて一度もないのにな
今まで片鱗を覗かせる事さえ躊躇っていた片割れに、神威は暗く哂う。
どんなに醜かろうが構わない。感情の全てを俺にぶつければいい、そして永遠に縛り付ければいい。
自分も同じだけの醜悪さで縛り付けてやるのだから。
そう考え、肩に埋められた影で目を細める。
----自分だけが醜いなんて思うなよ
自らを醜いと決め付け、自分にさえ全貌を見せなかった片割れの凄まじいまでの執着心に心が震える。
ようやく、自分の望んでいたものに手が届く時が来た。
----おかえり、昴流。もう離さない………
さぁ、狂気へと踏み出そうか。
‡ ‡ ‡
先に捕まったのがどちらだったのかなんて、そんな事に意味は無い。
何故なら自分達は、最初からお互い以外を必要としないのだから。
綺麗事などに価値はない、綺麗なだけの愛を捧げる事などもはや不可能だ。
だから…互いを縛り続けられるなら、どんな醜い執着さえ----
(俺にとって最上の---)
(僕にとって最上の---)
【FiN】
途中の会話の後ろをドラッグすると、別の台詞が出てきます。
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同属に電光石火でROM専から萌え落とされ墜落。
双児への愛が溢れる限り叫び続けます。