此処はツバサの双児吸血鬼を愛する管理人の、妄想の捌け口となっております。
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小説未満の物とかが詰め込まれる…かも。
上に来るほど新しい物です。
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・現実逃避SS~X星神/After
⇒試験勉強の息抜きに書いたものです。気付いたらうっかり星神処女作でした。(予定外)
08/02/19にAfter追加。
【現実逃避SS】星神
黄昏の空が藍色へと変わる頃。
室内の薄暗さにテキストの文字列を追いにくくなった神威は、ようやく勉強の手を止めた。
今まで集中していたために気が付かなかったが、とうに灯が必要な時間になっていた。
「…もうこんな時間か…」
凝り固まっていた身体を解すと、関節が嫌な悲鳴を上げた。
予定していた復習箇所まで進んでいないテキストに目を落とし、深い溜め息を吐く。
神威は放課後男の部屋に寄ってから、ココア片手にずっと試験勉強と格闘していた。
明日から期末試験が始まるのだが、正直神威は用意が出来ていなかった。
もちろん勉強は毎日真面目にしているのだが、如何せんあまり学校に行っていなかったので理解が追いつかないのだ。
時間を見ては昴流に教えて貰っているのだが、今日は仕事の都合で断られてしまった。
だから意外と学問に長けている男が帰ってきたら、付き合わせて分からない所を訊こうと思っていたのだが。
「なんで今日に限って遅いんだよ」
今やっている教科は数学だが、基本で引っ掛かってしまった箇所があるため応用がなかなか進まない。他の教科を先にやろうかとも思ったが、明日試験のある教科で一番問題のある教科のため後回しにも出来なかったのだ。
いつも自分の部屋に押しかけて来ては好き勝手していく男を思い出し、神威は苦々しげに眉を顰めた。
なんで男の傍若無人はまかり通るのに、自分の小さな希望はこうも上手く通らないのだろうか。
こんな時くらい早く帰ってきやがれ、と悪態を吐くが居ないものはしょうがない。
少し気分転換をしようと少し残ったまま冷えてしまったココアを呷り、淹れ直そうと立ち上がった。
「あ、ミス発見」
「……っ!?」
驚きに振り向く間もなく、後ろから抱きすくめられた。
同時に、桜花の濃厚な香りが神威の全身を侵食する。
「なっ、お前、いつの間に…っ」
「ついさっきですよ」
「嘘吐くなっ!」
そんな一瞬で何でミスが見つけられるんだよ!と噛み付けば、普通こんな分かりやすい基本で間違いませんよ、と嫌味な反撃を喰らった。
この男に訊こうとしたのは間違いだったかも知れないと内心いきり立ったが、ここで短気を起こしたら教えてくれる者がいなくなるのでぐっと堪える。
「数学苦手なんですか?」
「…悪いかよ」
「悪くはないですけどね、僕が困るわけじゃないですし」
その言い草にやはり頼る相手を間違えたと思い、神威は腕を振り解くと今度は我慢せずに鞄とテキストを持ち上げた。
「おや、もう帰るんですか?」
「うるせぇっ」
「僕が教えてあげますよ」
「いらんっ」
「素直じゃないですねぇ。受けて損はさせませんよ?」
----ただし授業料はもらいますが。
呟きと共に再び抱き込まれ、唇で耳を食まれると同時に内側を舐め上げられる。
「っ……、」
その感触にふるり、と一瞬身体が竦み上がる。
それに耳元で微笑を零され、吐息が更に耳を擽る。
「今日は昴流君は仕事でしょう?」
でなければ自分のところには来ないだろうと確信を持った問いに、苛立たしさが募る。
そう言われてしまえば、自分が引き下がれないのを知っていて言ってくるのだから。
だからと言って素直に頷くのも癪なので、神威は現状での精一杯で虚勢を張った。
「それに見合うだけの価値があるなら払ってやる」
そんな強気な言葉に再びクッと笑いが零された。
釈然としないものの、素直じゃないのは元からだ。
「それは君次第ですね」
「っ、うるせぇよ!」
どんなに男が上手く教えたところで、最後は結局神威の理解力に掛かっているのだと暗に言われる。
それは昴流に習っていても自分で感じている事のなので、思わず言葉に詰まってしまった。
だが、とりあえずは教えてくれると言うのだから受けておこう。
…授業料にしても、どうせ払わないと言ったところでいつも勝手にもっていかれているのだし、たまには対価をもらっても良いだろう。というか寄越せ。
「じゃあ、まずはご飯を食べてしまいましょうか」
「あぁ」
と、そこで重要な事を一つ思い出した。
今ここで釘を刺して置かなければ、後々丸め込まれてしまう。
「授業料は試験期間終わるまでお預けだからな」
---キッチンへ向かう男の足が、一瞬止まった。
【FIN】
「いえね、別に良いんですよ。学生は勉学が本業ですから」
男の朗々とした声をBGMに、シャープペンの先が紙の上を走る。
「でも以前貴方が払うといった授業料がまだ未払いなんですよねぇ」
その言葉に瞬間文字を綴る手が止まりかけ、先程より勢いをつけて再開される。
「試験期間が終わるまでお預け、でしたっけ?でも試験期間はもう過ぎてますよね、一週間くらい前に」
震える手の先でペンがノートに強く食い込み、紙が小さくよれた。
残り僅かな芯が次第に悲痛な声を上げ始める。
「…で、僕は何時まで待たされれば良いんでしょうね、神威?」
---とうとう断末魔が上がった。
と、同時に修羅の視線が男を射抜き、鋭い怒声が鼓膜を貫く。
「うっせぇ!補習があんだよっ!俺だって好きでやってるわけじゃないっっ!!」
「好きでやってたらただの馬鹿ですよ。あぁ、やらざるを得ない人も馬鹿ですよね、すみません気付かなくって」
「………て、めぇっっ…!!!!」
先程からいけしゃあしゃあと笑んでくる男に本気で殺意が湧き、視線が一段と鋭利な切っ先となり男に突き付けられた。
だが一般人なら視線を合わせた瞬間に固まるか脱兎の如く逃げ出すそれに、男は微塵も動揺した様子はない。どころか、ますます笑みを深めた。
「だからちゃんと待ってあげてるじゃないですか。ねぇ、僕は怒られるような事はしていはずですよ」
君と違って約束を守ってるんですから。
笑顔の後ろに浮かぶ冷え冷えとしたケダモノの仮面がそう無言で主張してくる。
元来真面目な神威はそれについ後ろめたさを感じて圧されるが、何も神威だって約束を破っている訳ではない。神威や一部の者にとって、試験期間は未だ続いているのだから。
けれどそれは最初に受かっていればとうに終わっているはずのものだ。だからこそ男の苛立ちを煽っているといってもいい。
それでも神威の意志ではないのだから、それは主張しておきたいところだ。
「…俺だって、何も怒られるような事はしてないぞ。真面目に勉強してるだけで」
「真面目に勉強してたら普通補習は受けないはずですがね」
「っ、それは、…!」
神威は幼い頃からあまり学校に行く事が出来なかった。
それは自身が内包している能力と深い因果関係にあり、神威の意思によるものではなかった。むしろ出来るものなら普通に行きたかったが、自らで舵の取れない力は外へと向けられ、周りを傷つけてしまう事が多かった。
だから自然と学校と言う場所とは疎遠となり、家で母に教えてもらう事の方が多かったのだ。ただしその内容は、学校で習う教科より各地に散らばる霊能に関するものが多数を占めたが。
「………そんなに欲求不満なら、女でも引っ掛ければ良いだろ」
実際男は神威に手を出しながらも、よく気紛れに女にも手を出した。それを男は悪いとは微塵たりとも思っていなかったし、神威も気にする事はなかった。気にしたところで倫理観など端から持っていない男に期待するのが間違いだと割り切っているとも言える。
だが、こんな時に限って男は神威にばかり執着して見せるのだ。
「今はそんな気分じゃないんですよ」
酷薄な笑みが男の口元を彩った。思わず神威は胡乱げな視線を向けた。
「目の前でお預けをされているものの方が、すぐに手に入るものより気を引かれませんか?」
堂々と物扱いかよ、おい。だったら鬱陶しいから他当たれよ馬鹿野郎。人を女の代わりにすんじゃねえよ、ていうかお預けって自分で犬扱いか、俺より馬鹿だろあんた。
百万語が胸中を渦巻き、呆れが表情に浮かび上がりそうになる。しかしここで素直にそれを表わしても、男には暖簾に腕押しだろう。
だから神威が勉強の疲れも相俟って、全てを放り投げたくなってしまったとしても仕方のないことだろう。
「…分かった、授業料を支払ってもいい。けどな」
「何ですか?」
「俺が留年するような事態になったら、あんたが何とかしろよ」
付き付けられた台詞に男はらしくなく眼を見開いて瞬かせたかと思うと、人の悪い笑みを浮かべて言った。
「えぇ、もちろん。ちゃんと責任を取ってあげますよ」
そう宣言した男はシャープペンを放り投げた神威の手を取って、指先にキスを送るとやんわりと食んだ。
「っ……、どんな責任の取り方をするんだかな」
「君はどうして欲しいですか?」
艶然と哂う男は面白そうな色を瞳に浮かべて問い掛ける。
それに神威はしばし宙に視線を彷徨わせた後、不意に何かを思い付いた様子で男を真っ直ぐ見つめて言った。
「別にあんたは要らないから、金だけ寄越せ」
「………」
---あまりに強かな十六歳の少年の口から出た台詞に、星史郎はサングラスの奥で視線を遠くへと彷徨わせた…。
【FIN】
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同属に電光石火でROM専から萌え落とされ墜落。
双児への愛が溢れる限り叫び続けます。